プロゴルフの中継を見ていると、優勝争いを
している選手の紹介だとか、選手へのインタ
ビューの中で、
「目標は通算10アンダー。
この辺りが優勝争いのラインになって来ると
思います。」
「とにかくまずアンダーで回りたい。
ボギーを打たない我慢のゴルフで。」
的な、極めて具体的、かつ、確かに達成できる
可能性のある目標を掲げることが多いように思い
ます。
心の中では、「全ホール、バーディを取ってやる」
と思っていることもあるかもしれませんが、やっぱり
リアルな目標を立てることが多いと思います。
決して、
「自己ベストを更新してやる」
「コースレコードを更新してやる」
「10打差つけて優勝してやる」
なんてことは思っていないと思います。
そもそもそんな目標を立てた所で、その実現可能性
が相当低いことは本人もわかっていますので、
ドンキホーテ的な夢想はしないということでしょう。
結果、自己ベスト更新がドンキホーテ的夢想になって
しまった私たちのようなゴルファーは、実現可能な
目標を立ててゴルフに向かうこととなります。
「何とか90を打たないようにしよう」とか
「1日1バーディ」とか「OBは1日2つまで」とか。
それでも、その目標が1つもクリアできない残念な
日もあるんですけど。
2025.8.16
これで思い出したのが信用金庫時代の目標の立てられ
方ですね。
恐らく昭和40年代の高度成長期、所得ががんがん
上がって、それに伴い預金高もどんどん増えて
いった時代の名残りが残っていたんだと思います。
団塊の世代がどんどん労働者になって行き、労働者
自体の数もどんどんと増えていった時代です。
昭和60年代前後になっても、例えば「前年比10%
増加」という目標値が設定され、それに沿って
各支店に10%増の目標値が指示されていました。
でも、高度成長期はとっくに終焉を迎えており、
サラリーマンの給料もさほど上がらず、新卒者も
どんどん減っていくという状況。
そんな中での10%増の苦しいこと、苦しいこと。
経営側としての夢想というか最低限という目標が
立てられ、それに沿って下々にはその目標をクリア
するためのノルマが下がって来ます。
これって今思うと毎ホールバーディを取れ、成せば
成る何ごとも的な非常に厳しい目標だったなあと。
ですので、目標をクリアできる支店なんて少な
かったのですが、達成できないと上から怒られる、
支店長の出世にも響く。
で、よく歴代の上の方々が奥の手としてやっていた
のが、融資をしてその額を1日だけ預金として残して
もらうという方法ですね。
3千万円の融資をすれば、融資も預金も共に3千万円
増えます。
が、翌日には返済となりますので、預貸金は共に
ガクンと減少し、実態は数字を飾っただけです。
恐らく、金融機関側から頼まれてこういうことを
された経営者の方々も多いんじゃないかなあと
思います。
そして、それを最初に考えた人、そして、真似した
人、出世したでしょうねえ、ろくでなしですけど。