まず考えることの第一歩は、「なぜこの制度が
始まったのか?」ということでしょう。
年金の支払い資金に厳しいものがあるから、とり
あえず目先だけでも年金の総支払額を減らしたい。
後のことは知~らね。あとの官僚が考えりゃいいや。
俺たちの時に「これだけ年金支出額を抑えました!」
って実績さえ出来りゃ。
てな、いかにもありそうな官僚的思考でこの制度が
始まったとしたなら、そりゃ危ないです。
何も考えずに、60歳からの支給を申請したほうが
いいです。
でも、さすがにそんなことではないでしょう。
ネットで調べてみると、
ニッセイ基礎研究所
の中に、次のような記載がありました。
(1)65~69歳の就業率に加えて、70~75歳の就業率の
上昇など高齢者の労働参加が進むこと
(2)基礎年金創設時から5年程度伸長した65歳到達時の
平均余命が、さらに伸びると見込まれること
これは、それまで70歳だった繰り下げ受給の上限
年齢を75歳に延長した際の理由なのですが、おそらく
繰下げ受給の始まった理由と変わらないでしょう。
65~69歳の就業率に加えて、70~75歳の就業率の上昇
60代後半の就業率は、今後も増えて行く可能性が
あるとは思います。
でも、70歳以上はどうなんでしょう?
こちらのデータを見ても、微妙ですね。
増えて行くだろうけど、そんなに高くはならない
可能性も大きいように思います。
現在の雇用形態の主流は、60歳定年、65歳まで再雇用
というパターンだろうと思いますが、近い内には、
65歳定年、70歳まで再雇用というラインまで延長
されていくような気がします。
若年層の人口減により、労働力の確保は多くの企業に
とって大きな課題ということは変わらないでしょう
から、可能性はあります。
とすると、上記2つの理由は納得できるということに
なります。
2025.6.12
年金の問題とは関係ないですが、
「65歳定年、70歳まで再雇用」。
現在多い「60歳定年、65歳まで再雇用」は、
「60歳からは給与を1/3程度に出来るからいいや」
という企業側の理由もあると思います。
でも、正規雇用を5年延ばすとその分、企業側の負担
が増え、場合によっては「60歳定年、70歳まで再雇用」
というパターンも増えてくるかもしれません。
「年金貰いながら働きゃ、給料少なくてもいいじゃん」
という考え方も出来ますが、これだと、年金受給繰下げ
にはつながらないです。
ですので、現在は定年65歳ということに法的強制力
はないと思いますが、強制力が付随してくる可能性
は先々あると思います。
働く側からすれば、「同じ仕事をしてんのに、なんで
10年も1/3の給料で働かなきゃならないのか?」と、
腹が立って辞めてしまう可能性もありますし。