大の里の優勝で横綱昇進がほぼ確定。
横綱昇進にふさわしい相撲だったと思います。
「左差し一気の寄り」という取り組みを覚えられ、
その対抗策を取られて苦しんだ時期もあったと
思います。
でも、大の里も更にその対抗策を考え、相撲を
変えて来たことが昇進につながったと思います。
さて、新入幕の嘉陽。
真ん丸の体形で、正直あまり稽古していない
んじゃないかという印象を受けてしまい、
「幕の内は厳しいんじゃ?」と思いました。
案の定というか、初日からいいところなく、
惜しくも何にもない4連敗。
ところが、その後、4連勝して持ち直したん
ですね。そして、その勝ち方が詐欺まがいと
いうか特徴的だなあと。
私の印象ですが、寄られ、もうどうにもなら
ないとなると、寄られた側はふっと力を抜き、
土俵を割ります。
そうすると、暗黙の了解なのか、寄る側の力士
も力を抜き、両力士が倒れ込んで怪我をしない
ようにしていると思います。
これは別に手抜きだとか、八百長ではなく、
怪我防止の点で悪いことではないと思います。
で、嘉陽。
これを利用していると思うんですね。
もうほぼ体(たい)がない。
で、相手がふと力を抜いた瞬間にくるりと回り、
相手の腕とかを掴んで、相手を土俵の外に。
4連勝した全てがこのパターンだったと思います
が、これも作戦であり、悪いことではないと思い
ます。
そして、恐らくは今まで誰も思いつかなかった
戦法。
私も実は予備校生の時に、市民相撲大会でどうにも
歯の立たなかった柔道の先生相手にこれをやって
勝ったことがあります。
しかし、大相撲でこれを見ることになるとは。
まあ、覚えられてしまうと通用しなくなるでしょう
けど、「あの戦法と一緒だ!」と非常に面白かった
です。
2025.5.24
でも、これで幕内までに上がって来たのですから、
これも立派な特技だと思いますし、彼、他の相撲
でもフットワークの良さを見せています。
大相撲は以前と比べて凄く真剣勝負になり、
熱のこもった戦いが続いていると思います。
でも、きわどい相撲では、つい手を付いてしまい、
負けるというケースもあります。
大関の貴乃花、そして息子さんの横綱貴乃花など
は、手を付かず、顔から落ちて顔にかさぶたと
いうケースが多々あったように思います。
それで勝ちを拾ったという取り組みも何番かある
はずです。
でも、それがいいのかというと怪我という点では
難しいものがあります。
ですので、きわどい勝負の判定方法という点では
大相撲でも改善点はまだ多々あるように思います。
そもそも、一瞬の勝負の差は肉眼では判定が難しい
ということもありますし。
むしろそれを前提に柔道のように審判員全員による
旗判定でもよいと思います。
それはそれで盛り上がるような気がしますし、
勝負際での体勢を重視するという点ではこの方が
よいかもしれません。